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「小麦フェスタ」にそろそろ向かう時間。途中、おなかが空いていたので、３人で、なんとも味わい深いたたずまいの「やきそば屋」と暖簾の下がったお店に立ち寄る。「やきそば屋」とうたえる店は、そうあるものではない。どんな店かと中に入ると、40年くらい前に時代はタイムスリップしたかのよう。おばちゃんが独りで切り盛りしているやきそば屋。やきそば一枚200円。大盛り300円。ポテトやきそば250円。やきそばには肉が入っていない。申し訳程度にキャベツが入っているのみ。あとはソースの味。懐かしい味のするやきそばだった。

さて、小麦フェスタ。無料で次々と試食ができるとあってか、ホテル内の会場は芋を洗うような混雑ぶり。笠原社長の開会の挨拶。議員さんその他、来賓も多数。「リング」の鈴木光司氏は、笠原家と長いお付き合いとのことでビデオレターが届いていた。

うどん、ギョーザ、パン等々に形を変えた栃木産小麦粉は、しかしもっといい形で利用しうるのではないか、というのが正直な感想。それを陣田さんのパン講習が払拭してくれるような、そんな予感がした。

夜は、足利から４駅先の太田市の「ホテルパインヒル」に宿をとった。足利で、ちょうど「全国高齢者対抗野球大会」が催されており、市内のどこの宿も満杯だったためだ。
しゃれたアジア無国籍料理店で３人で舌鼓。太田市は、市役所が市長を中心に大胆に市民中心の行政改革を推進中ということで、訪れてみたい場所の一つだった。日系ブラジル人が多いのも興味深い。
さすがに、足利とは規模が違って大きな街だ。繁華街が実に賑々しかった。

さて、翌朝、足利のココ・ファームへ。ここで、陣田さんからご紹介された杉並コンビビウムの新メンバー、保坂俊一郎さんとその奥さん、息子さんと合流。

それにしてもココ・ファームの急斜面のぶどう畑は壮観。天気のいい午後、カフェーのデッキからぶどう畑を眺めているだけでも、ここに来た甲斐があるように思えてしまう。

申し込んであったワイナリー見学ツアーへ。本来、「こころみ学園」という精神薄弱者施設が母体となっており、その園生が手塩をかけてぶどうとワインをつくっていること、そしてユカリ・プラットさんにご紹介いただいたブルース・ガットラブさんが、ココ・ファームのワインの質を一級品に引き上げたこと、それまでの努力・・・ドラマの多い感動的な場所だ。こういう場所は、そうはないのではなかろうか。

ワインを造るまでの工程と苦労をツアーの中で、改めて知る。そしてブルースさんとの対面。半年の予定で来たのに、気がつけばもう14年もいるという。「何がそうさせたのですか？」と聞くと、迷わず「園生たちがいるから」との答え。
12年前に、ロンドンの精神薄弱者施設に一年半住み込みボランティアで働いたのを思い出す。あのときは、いろいろな面で辛さばかりが先に立った。でも、ブルースさんがそう答えたのが、なんかわかるような気もするのだ。なぜ、とは言えないのだけれども・・・。

結局４時近くまでココ・ファームのデッキにいた。保坂さんと息子さんは、斜面の一番てっぺんまで登りにいった。続いて女性達ものぼっていく。斜面からは、ときたまカラスを追い払う缶を叩く音。
11月の収穫祭には、ここ毎年一万人の人が訪れるという。ジャズメンたちによる演奏も楽しめて、ひたすら楽しむのだろう。車はえんえんと連なって、ワイナリーまではとても入ってこれない、と。来てみたいような、みたくないような・・・。

タクシーを呼んでもらい、ココ・ファーム、そして足利の街を後にしたのだった。

10/12の「スローフード料理講習会」の第一部として、すでにご縁をいただいていた笠原産業㈱の笠原健一社長とのお話の中から、迷わず「栃木県産小麦粉使用のパン作り講習会」を企画した。

9/27（土）には、「麦わら帽子の会」主催の「小麦フェスタin足利」が予定されているのを知り、これに参加しがてら栃木県産小麦の現地での評判をぜひ見てみたいと思った。

もう一つ、すぎなみTOKYOコンビビウムの新メンバー、ユカリ・プラットさん（パークハイアット・ホテル52階「ニューヨーク・グリル」ソムリエとして活躍中）が、同じく足利のワイナリー「ココ・ファーム」に３か月住み込んでいたことがある、ということだったので、これはもうぜひ足利に行かねば、と思っていた。

午前10時に佐々木①②と田中妙子さんで集まり、東武伊勢崎線の特急りょうもう号に乗ると70分で足利。駅前のミヤコホテルが「小麦フェスタ」の会場。

初めて訪れる足利は、いい天気だった。ホテルのすぐ背後には渡良瀬川は足利の町に奥行きとある種のさわやかさを与えているようだ。時間があるので、ばんな寺と足利学校観光に繰り出す。

ばんな寺の横には足利尊氏の像があり、沿道にはお土産店が建ち並んでいる。が、土曜の昼間にも関わらず、道行く人の影はまばらだ。
ご神木の銀杏は、それにしても見事だった。樹齢700年くらいか。寺社には必ずといっていいほど銀杏の木。それには理由があるのだ。詳しくは、唐沢孝一先生のＨＰをご参照。
http://www1.odn.ne.jp/~aab87210/phot-0.htm