■食育講演
食の安全性や、食文化、食事作法など食に関する正しい知識を伝え、多様な味覚の認識や、農業や食糧問題への理解など、多岐にわたっての講演が行われた。参加者は2日合わせて40人ほど。テントの外で、立って話を聞く人も多かった。
講演が開催された両日とも快晴。屋外のテント内で行われた講演会では、例年なら最も寒い時期にもかかわらず、両日とも暖かい日差しに包まれた。

■味覚コンテスト

目隠しをして調味料の違いを判別することができるか、また、においと味で何のだしなのかを当てる味覚テスト。7つの味覚を書き出すテストを行った。
調味料の部:「食塩と粟国の塩」「白糖と黒糖」「薄口しょうゆ」「濃い口しょうゆ」「白みそと赤みそ」「米酢ともろみ酢」の5種類の調味料で、ブラインドテスト
だしの部:「カツオ」「昆布」「椎茸」「豚ガラ」「鳥ガラ」の5種類のだしの判別テスト。
味覚の書き出しの部:「甘味」「にが味」「辛味」「酸味」「うま味」「渋み味」「塩味」の7つの味覚を書き出すことができるか
4日は8人。5日は10人。合計18人が味覚テストに参加した。
全問正解したのは、4日は0人。5日は2人。
正解率が高かったのが、「白糖と黒糖」の違いの判別。正解率が低かったのが「薄口しょうゆと濃い口しょうゆ」の判別。子どもの参加者の場合、もろみ酢など、これまで味わったことのないものもあり、判別は難しかった。
だしの部では、普段よく使うカツオだし、昆布だし、そして香りの強い椎茸だしは、正解率が高かった。だが、豚ガラや鶏ガラは、普段使う機会が少ないこともあり、正解率は低めだった。

司会は沖縄・奄美スローフード協会会員の河口哲也さん。
ダイエットに関する見識が深く、昨今騒がれている情報番組の食品の効果偽装問題への提言などもあった

■琉球紅茶講演
沖縄が紅茶の生産に適している土地であるということは、あまり知られていない。うるま市石川で、紅茶の茶葉の生産・販売を手がける、沖縄ティーファクトリーの今本智子さんによる琉球紅茶の講演が行われた。
沖縄は、世界の紅茶の名産地と土壌や気候条件が近く、日本で唯一紅茶の生産に適した土地である。また、沖縄の硬度が高い水道水も紅茶を入れるのに最適。そして、県外では高級品としてなかなか手に入らない、低温殺菌の牛乳が、沖縄ではコンビニやスーパーなどで販売され、比較的容易に手に入れることができる。これによって、おいしいミルクティーをいれることが可能。数々の状況の中、沖縄ではおいしい紅茶を飲むことができる事を紹介。
おいしい紅茶の入れ方教室や、牛乳よるミルクティーの味の違いなど、参加者に体験してもらいながら、紅茶の世界を味わった。
参加者は、3日は20人、4日は25人ほど。質疑応答の時には、熱心に質問を投げかける参加者が多く盛況に終わった。

反省点や良かった点
味覚コンテストでは、子どもの参加者が3人と少なかった。小さい頃から味覚や食に対する興味を持ってもらうためにも、子どもの参加者が増える仕組みを作る必要がある。今回、参加した3人の子どもの中には、調理師志望の14歳の少年がいた。子どもたちにとって、自分の味覚を試すのは滅多にできない体験なので、これからの食への興味につながる良い機会になると考えられる。また、一緒についていた親にとっても、子どもの食育を考えるきっかけになる相乗効果がある。味覚テストを通じて、食の大切さや伝統料理の重要性などを知るきっかけを作っていく必要がある。

沖縄・奄美スローフード協会より

おきなわ花と食のフェスティバル2007年2月4日(土)5日(日)

奥武山総合運動公園
サブグラウンド 
「食と健康のススメ」ブース
「食育講演」
「味覚コンテスト」
「琉球紅茶講演」を実施

13:00〜13:30 
食育講演(沖縄・奄美スローフード協会会長 田崎聡)
13:45〜14:45 
味覚コンテスト(司会・沖縄・奄美スローフード協会会員 河口哲也)
15:00〜16:00 
琉球紅茶講演 (沖縄ティーファクトリー 今本智子)

沖縄・奄美スローフード協会会長の田崎聡さんの食育講演。子育て世代の夫婦や、食の問題に深い関心を持つ人々が参加。メモを取りながら熱心に話を聞いていた
1度に5人ずつ、調味料のブラインドテストに挑戦。目隠しをしていると、味の判別は意外と難しい
講師は沖縄ティーファクトリーの今本智子さん。ティーバッグでのおいしい紅茶のいれ方や、ポットで入れる場合の注意点など、参加者も興味津々低温殺菌と高温殺菌の牛乳では、ミルクティーにすると大きな違いがある。実際に試してみることで、実感できる
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