バスで帯広駅から40分くらい、会場と宿泊のフェーリエンドルフへ向かうなか、改めて帯広市の基礎データを教わりました。
人口　17万6000人。800くらいの農家があり、一戸あたりの作付面積は平均25ヘクタール。

積もった雪の中にところどころに佇むフェーリエンドルフのコテージは、日本の風景とは思われないほどの美しさ。そのなかでひときわ大きい建物が会議の場所です。

フレンズ帯広のメンバーに温かく迎えられながら建物に足を踏み入れると、初めて会う方々や、久しぶりに会う懐かしい面々が。
若生さん、萱場さん、ジャパン事務局の阿部さん、吉田さん。
島村菜津さん。岩手の川手さん、茂木さん、穴田佐和子さん。
山形の成澤さん。沖縄・奄美の田崎さん。播磨の平井さん。横浜の徳田さん等々……。

今回は、オブザーバーの方々を含め、総勢60名くらいの参加者のようです。会議は、カルロ・ぺトリーニ会長の基調演説によって幕を開けました。

かなり断片的にメモしたものを拾いながら、その内容を追ってみましょう。

「昨年のテッラ・マードレによってわれわれの活動の意義は大きく変わった。
全世界から130の国、1030のコミュニティの中から生産者が集った。 スローフード運動は、いまや地球全体、世界全体を覆っている。
大きい地球規模の運動を目指しながら、同時に地域の多様性を守っていく……これがテッラ・マードレの開催意義だ。

スローフードにおけるガストロノミーとは、農業、畜産、経済学、政治経済学、健康問題等々をすべて含む。
皿の中のものだけではなく、「皿の外」を考える、つまりもっと広い視野を持って考えること。
それが他のガストロノミーの協会とスローフードの違いだ。
「エコ・ガストロノミー」を考えること。
いま地球では、一日に５、６のフルーツの種類を失い、一日に１種類の動物の種を失っている。
これらのことは、今となってはイタリア、日本に限らず世界中の問題となっている。

人々の団結こそが力を生み出す。
「自分たちの子供たちにどんな世界を残していくか」
「前の世代から受け取ったものを、いかに次の世代に受け継いでいくか」
――それらを考えるのでなければ、われわれの運動は意味がない。

日本におけるスローフードの問題として、「『スローフード』の本当の意味が人々に認識されているのか？」ということがある。 協会自体が強いものにならなければならない。 われわれの運動は、壊れてしまうようなおもちゃであってはならない。
国内組織がしっかりしていて、国際レベルに通じていなければならないのだ。

私はこの来日で小泉首相を訪問することになっている。
彼には、「遺伝子組換作物の必要などないということ、日本の食の多様性を守ること」を主張するつもりだ。