スローフードフェア２００６
食育教室見学レポート
中村麻理（スローフードすぎなみＴＯＫＹＯ）

４月２９日（土）
第一部 １２：４５〜

「そばがきでそばのおいしさ再発見」

　そばがき教室の講師は、そば業界の指導者である清水吉郎先生。教室はでんぷん食の種類のレクチャーから始まった。
でんぷん食と一口に言っても、固形状のもの、粒状のもの、粉状のものがあり、そば粉は粉状食に分類されるのだという。
一通りのレクチャーを受けた後、グループに分かれ、参加者は実際にそばがき作りに取り組んだ。そば粉１に対し水を２．５の比率で加えて練り、さらに、これを火にかけて練り続ける。
「しゃもじを強くにぎりこんで。」「できるだけ早く混ぜてくださいね。」「もう少しでツヤが出てきますよ。」といった具合に、各テーブルを回りながら先生が声をかける。
そばがきづくりのポイントはツヤが出るまで練ることだそう。
ツヤが出たのを確認すると、先生から「はい完成です。」の一声が。
参加者の中にはちらほらと子どもたちの姿もあり、汗だくになりながら、必死にそばがきを練る姿が見られた。「手が痛い！」と言いながらも、みんな本当に真剣な表情。最後は、蒲焼のたれをつけながら出来上ったそばがきを試食。
子どもたちは「こんなのはじめて食べたけどおいしい！」「ちょっとそばの味がしておいしい。また作りたい。」と大満足の様子だった。

「絵本で楽しむカボチャ団子づくり」

　このプログラムは『ぐりとぐらとすみれちゃん』の読み聞かせから始まった。
『ぐりとぐらとすみれちゃん』にはかぼちゃを割って料理をするくだりがあるのだ。その後、子どもたちとその親御さん方がかぼちゃ団子作りを楽しんだ。かぼちゃ団子は北海道の家庭の味。

まずは、かぼちゃマッシュ２に対し、片栗粉を１加える。そして、粉がすっかり混ざるまで練っていく。完全に混ざったら、小さなハンバーグ状にまとめ、あとはホットプレートで焼くだけ。こんがり焼けたら、黒蜜と黄な粉を添えて、ハイ出来上り。
ちなみに、かぼちゃのかわりにじゃがいもでもおいしいお団子ができるのだそう。子どもたちに感想を聞くと、「おもちみたいでおいし〜い！」という声が多数。

普段はあまりかぼちゃが好きではないという男の子は「かぼちゃは食べられないというわけじゃないけど、普段は食べる気がしない。でも、これはおいしいね。」と話してくれた。
お母さんによれば「自分でつくったからじゃないかな。」とのこと。
実際に試食させてもらったところ、かぼちゃの自然な甘さが大変な美味。
非常に簡単にできるので、きっとご家庭でもリピートしていただけるのでは。
とにかく、おいしさのポイントはおいしいかぼちゃを使うこと。
北海道の「まさかりかぼちゃ」のスゴさを実感することのできた食育教室だった。

「日本のおだしの味比べと『ごま豆腐』の新しい味」

　こちらのプログラムでは、まずは「ごま豆腐」作りを体験。
本日のごま豆腐は茶巾絞りスタイルで。
ごま豆腐がこんなに手軽にできるのかと皆さんびっくりのご様子だった。ごま豆腐に加え、その他の「精進料理」のプチ体験も。
「ふきを油揚げの煮物」「梅と若布の汁」「古代米のご飯」を少しずつ試食した。さらに、「日本の味覚体験」ということで、「だし」の味比べ。伝統的な手作りのだしと、天然のあわせだし、いわゆるだしの素で、「色のちがい」「匂いの特徴」「舌・口のなかの味わい」「のみこんだあとの感じ」を比較。
さらには、上記の三種類のだしを味噌汁に仕立て、同様に比較。参加者の皆さんは真剣な面持ちで普段は何気なく食しているだし汁を味わっておられた様子だった。