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乳牛のバリエーションを守るために

 

  
1996年、トリノにおいて、 第1 回サローネ・デル・グストが開催されたときに「箱舟」は発足した。
その1 年後にその目的を明示するための宣言が発表される。どこにも書かれていない、豊かで複雑で、職人や農民が培ってきた文化的、社会的、経済的遺産を守ることが目的とされた。
2年間このテーマは、絶滅の危機に瀕している食材を守るために、大学研究者、ジャーナリスト、研究所の代表者などによって討論された。

1998 年11月トリノ リンゴットで開催された第2 回サローネ・デル・グストでは、品質の高い農作物が、一部のグルメのためではないことが明らかになった。12 万人もの動員数がそれを物語っている。ペコリーノが数日のうちに売り切れ、コロンナータのラードが生ハムと同じ価格で売られた。この経験は[箱舟]の出港を多いに勇気づけた。

1999年1 月、箱舟の運営に関して、学術委員会Commissione Scientificaが設けられた。委員はスローフードの専門家、ジャーナリスト、研究者たち。 またトリノ大学農学部、サレルノ・ポンテカニャーノ、農芸実験研究所、ベッラ(ボテンツァ) 動物学実験研究所、フィレンツェ大学、モリーゼ大学、ポテンツァのチーズ協会、レーガアンビエンテ、WWFなどの介入もあった。

ここで決定された箱舟にのせる製品の基準は、次のようなものであった。


  1. 製品は特別な品質を持ったものでなければならない。
    つまり人間の五感に訴えるものでなければならない。

  2. 限定された地城に長く順応してきた植物種、変種、亜種、地域性の動物。地域の素材をベースに加工された製品。
    または地域の伝統製法による加工、熟成をしたもの。

  3. 地域との関連付けが確証できるもの。生産者は環境的に社会経済学的に歴史的に、特定の地域に結び付けられていなければならない。それは習慣的にある地名に結びついている。

  4. 農会社によって少量生産されるもの、または小規模の加工をほどこされるもの。
 

現実的または潜在的な絶滅の危機にあるもの。

1. の「人間の五感に訴えるもの」とは、製品の味のバランス、地域性、味の複雑さである。

これらの定義には、ありふれた2 つのタームが意図的に除外されている。
「伝統的な」Tradizionaleと、典型的Tipicoである。これに代わって歴史的storico,地域的localeが使用されている。

伝統的とは農政省が決めた指標によれば、25年を経過しているものとされている。
インダストリアルな製品も多くはこの指標にかなっている。ヌテッラだって伝統的製品と呼べるであろう。また伝統がすべてではない。技術革新に助けられた作物もある。

マルティナ梨は、7年後に初めて実をつけるような100年前の方法で栽培されていたなら、市場に並ぶチャンスはまずないであろう。典型的という言葉も、ある1 つのモデルを指しており、これに準じたものという印象を与えてしまうため除外した。

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