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スローフードな味覚教育「親子で見つけよう! ほんとうの味」vol.20 (2018.1.20)

2018年1/20(土)、恒例のスローフードな味覚教育「親子で見つけよう! ほんとうの味」@杉並区立杉並第四小学校を開催します。
2003年から続いているこの特別授業、今回が20回目になります。

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スローフードな味覚教育
 「親子で見つけよう! ほんとうの味」vol.20

「豚の特徴と、お肉のいろいろ」
~《プロのシェフに学ぶ》 SPF豚肉を使った塩豚とミネストローネづくり

皆さんの大好きな、豚肉。でも、子豚は多くの菌を母豚から与えられて生まれて来るので、菌があばれないように生産者は抗生物質を与え、病気が出ないようにします。今回は、豚の特徴や、お肉になるまで、健康なお肉とは?について、林SPFの林さんから学びます。
後半は、荻窪ミピアーチェのオーナーシェフ・舩橋英夫さんが林SPF豚バラ肉と人参の柔らか煮、野菜を食べるミネストローネ、トマトソース の美味しい作り方を指導します。ご家庭でぜひお試し下さい。

■開催日時  2018年1月20日(土) 午前10時~12時30分(9時45分受付開始)
■場 所  杉並区立杉並第四小学校3階家庭科室
https://www.suginami-school.ed.jp/sugi4shou/
■参加費  大人600円、子供400円 (参加費は当日受付にて)
■持参いただくもの  エプロン、三角巾、ふきん等
※部屋の広さの関係上、親子20組(40名)を上限として締め切らせていただきます。ご了承ください。

【当日のスケジュール】(予定)
● スローフードユースメンバー:「食べられるお肉」についてクイズ
● 食べて当てる「お肉クイズ」
● 舩橋英夫シェフから、「林SPF豚バラ肉と人参の柔らか煮」「野菜を食べるミネストローネ」「トマトソース」の作り方を指導、その後、皆で作ってみる
● 皆で食事、その後、あと片づけ

■主催 杉四小土曜日学校実行委員会

■企画・進行  スローフードすぎなみTOKYO


カネサ鰹節商店さんが、7/4(火)BSに登場

SFすぎなみメンバーのカネサ鰹節商店さんが、7/4(火)BSに登場するとのこと、ぜひご覧ください。http://www.katsubushi.com/
以下は、店主・芹沢さんより。

7月4日BS-TBS 20:00~20:54
「日本の旬を行く路線バスの旅」
http://www.bs-tbs.co.jp/syunbus/
「夏の伊豆半島 旬の海幸
食べ尽くし/旅人:把瑠都さん」
先日、取材頂いた模様が放送されます。
良かったご覧ください(^-^)/


テッラマードレデーの集まりを今年は12/13(日)開催

今年もテッラマードレデー(12/10)が近づいてきました。SFすぎなみは今年は12/13(日)にやります。
今年のテーマは、「縦と横との新たなつながりに向けて」です。
縦とは、世代的なものです。
スローフードすぎなみが2002年に発足して以来、今年で13年が経ちました。
10年ひと昔とはいいますが、この10年で、新たな持続的な食の可能性を求める波が育ってきたのをひしひしと感じています。
スローフードユースがもちろんそうですが、もう一人、今回「第五回 種の市」を主催された高橋一也さんをお迎えします。
http://www.organic-base.com/topic/tane/
高橋さんは、全国の自然農法で作られた野菜や果物、加工品だけを扱う「八百屋」を主宰するwarmerwarmer代表(http://warmerwarmer.net/)。
横とは、ネットワークの広がりと再構築です。
スローフードジャパンが曲がり角に来ている中、SFインターナショナルの日本ディレクターに就任した伊江玲美さんにも来ていただきます。今後の日本のスローフードについて、忌憚のないところを彼女と話しましょう。
さらに、先日の韓国での大会で、フィリピンの仲間から古代米各種(長粒種)を、またモロッコの仲間からクスクスの小麦粉をもらいました。
これらを使って料理をしながら、日本を越えた海外とのつながりに思いを馳せます。
★古代米各種(長粒種)を使った料理と、クスクスを作れる方は、ぜひ来てください!
もちろん、SFすぎなみメンバーの林さんが、また林SPF豚(http://www.hayashi-spf.co.jp/)を協賛し参上してくださるのと、森田さん(http://www.yasai.com/)も採れたての野菜を協賛しつつ参上してくださいます。
もしご都合のつく方は、ぜひお出でください。
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■■全世界が繋がるスローフードのテッラ・マードレの日! 今年は12/13(日)!■■
今年の全世界の合言葉~
Terra Madre Day!
A global food revolution grows from local roots…
Join the annual global celebration of local food on December 13 !
「世界的な食糧革命は地元の根から育つ…」
12月13日に地元の食べ物の世界の年間祭典に参加しましょう!
■日時 12月13日(日)15:00-20:30
(この間、出入り自由、15:00~17:30は主に料理の仕込み[キッチンあります])
■会場:高円寺純情コミュニティカフェー&ショップIIDE2階
https://www.facebook.com/iide.junjo/
■参加費
●料理・飲み物を一品(以上)持って来られる方 1,500円
●料理・飲み物お任せの方           2,000円
http://www.slowfood.com/what-we-do/international-events/terra-madre-day/


杉並区の農業

1.都市農業の現状

・杉並区の農地面積は、55.22ha(平成 18 年度4月現在)で、区全体の面積に占める割合は 1.62%で、東京ドーム12 個分に相当する。
・ 農地の多くは、杉並区の北部(西武新宿線)と南部(京王井の頭線)に集中しており、中央線沿線には少ない。また、北部は練馬区に接しており、南部は世田谷区に接しているが、練馬区・世田谷区ともに、杉並区より農業が盛んである。
・杉並区の農家数は192 戸(農地台帳/平成 18 年4月現在
・昭和60 年現在の農地面積を 100 とした場合、平成 19 年現在は 53.7 となり、年々減少する傾向にある。その背景としては、農地としての土地利用より(杉並区はそこそこ地価が高いこともあり)、マンション経営や駐車場などの利用の方が収益性が高いこと、また相続(税)問題なども考えられる。駐車料金が1台で月23万円の収益をもたらすのに比べ、農作物の場合、年2回程度の収穫では、収益面では対抗できない。このような状況から、農業だけで生活を成り立たせるのは難しく、現在杉並区内における専業農家は23戸程度で、農家のほとんどが、農業の他業種との兼業である。
・農業の大変さも挙げられる。農作業の98%くらいが”草むしり”である。また、冬は霜が降りたり、夏は暑さのため、農作業する時間も限られる。

【補足説明】
○杉並区の場合、農家1戸あたり農地面積も全体の6 割が 1000 平米未満であり、一般の人がイメージする(北海道のような・・)農地・農家のイメージと異なる。
○区内では、果樹栽培、花卉栽培の農家もある。

(岡村さんより)
・昔はキャベツやブロッコリーなどが中心であったが、最近では、年間を通して生産・販売ができるようにとの考えから、トマト、えだまめ、だいこん、キャベツ、ばれいしょ、ブロッコリー、さつまいもなど、他品種栽培・生産が増加。農家1戸平均10 品目以上を栽培・生産している。
・収穫量は、だいこんが一番多く133 トン、次いでキャベツ 100 トン、ばれいしょ 71 トン、トマト 50トン、えだまめ32 トンがベスト5である(平成 17 年度版「わたしのまちの農業」)。この他、観賞用の花や植木、果樹も生産されている。
・生産物の多くは庭先販売・直販である。以前は、学校給食への提供やスーパーなどにも出荷していたが、現在はしていない。また、JA東京中央すぎなみグリーンセンター直売所「ファームショップ あぐりん」でも、毎週火曜日と土曜日(午後2時)に直売している。その他、区主催の即売会、農協主催、共催の即売会、農業関係団体の即売会などが、年に数回開かれている。ただし、庭先販売・直販中心であることに違いはない。

(三上さんより)
・農業従事者の多くは60 歳代以上が多く、(体力的にも)収穫量が限られるという面もある。”身の丈に合った”農業が杉並区の農業(農家)の特徴といえる。次世代といっても4050 歳代であるが、熱心な方が多い。・農地と「生産緑地」との違い生産緑地とは、生産緑地法に基づき農家ごとの申請により、杉並区が都市計画決定し指定したもの。一定の面積以上で、長期にわたり(最低30 年間)営農していくことが義務づけられ、固定資産税の課税評価が通常の宅地並農地よりも低く抑えられる。区農地の7割ほどが指定を受けており、都市計画上、オープンスペースの確保や緑地の保全に効果を挙げている。
・歴史的に振り返れば・・戦後の日本では、地主から農地を借り上げ、実際に農作業に従事している人たち(小作農)が農業から収益を上げることが出来、労働意欲を向上させるための政策が採られた面もある。そのような背景から、農地の売買は法律で制限されている。・都市部に農地があることは非効率的であり、宅地を増やそう・・という(国の施策)時代もあったが、実際には、その通りに事は運ばず、現在の杉並区のように、一部に農地が残ることとなった。そういった時代(国の施策)の変遷なども、現在の都市農業に影響していることが考えられる。※「農業委員会」:選挙による委員12 名と区長の選任による委員2名(農協推薦、区議会推薦)の計14 名が活動している。役割は、農家からの相談処理、適正な農地の管理・保全、区や農協が行う農業振興事業への支援などで、任期は3年。

○「体験型農園」と「区民農園」
・体験型農園農園主の年間耕作計画に基づく指導を受けながら、利用者が農作物の育成・収穫を行うもの。区では、体験型農園を開設・運営する農家へ施設整備費や運営費の一部助成を行っている。
現在1園、100 区画3 が開設されている。
荻窪駅から南に下がったところ、住所は成田西3-18、名称「ファーム荻窪」という。
区の事業というより、”農業の一形態”と捉えるもので、農園主が作った栽培計画に基づき農業に従事するので失敗が少なく、農業経験のない人でも安心して野菜作りが行える。
・区民農園区民が野菜や花などの栽培を通して、土と自然にふれあうことを目的に、農地所有者から区が無償で農地を借り受け、区民農園として開設している。平成19 年4月現在、12 農園で計約 1,800 区画を提供している。北は井草地域、南は成田、高井戸、浜田山など、北部と南部に集中している。体験型農園とは違い、農業指導はないので上手に育たないこともある。しかし、自分の判断で好きな作物を育てることができる。利用期間は2年間(利用料金は年間3,000 円)、次回の募集は平成 20 年の 12 月頃、実際の利用開始は21 年の3月頃の予定。水道の利用、農具の貸与もあり。

2.農家が残る環境づくりの課題や悩み、サポートについて・農業の生産性のみならず、”都市型災害への防波堤”としての農地の役割を見直し、防災的観点からも、農地(スペース)を残していくことの重要性が考えられる。日常、農地があることの具体的な効果は、目に見えにくいもがあるが、区としては、農地があることの効用を区民に広く理解を求めていく方針である。また、風が通り抜けたり、緑が癒しとなるなど、農地の多面的な効用も訴求していく。
・JAとしても、農地を残すことを重要課題として位置づけている。杉並区でも、これ以上農地が増えることは考えられないので、減らさないことを責務と考えている。
・農地が空く時期(栽培・生産しない時期)があるので、農家と区民が話し合って、どのような利用が可能かを決める。”ただの土”より緑がある方が、区民にとっても望ましい・・などの発想もあり得る。事前にJAに相談してもらえば農家への橋渡しをすることができる。農家も反対はしないので、区民が積極的に農地に関わるべきである。

<Q&Aコーナーより>
Q:販売所が少なく、杉並の農業(農作物)と触れ合う機会も少ない。
A:農家と一般区民の触れあいが少ないのは農家にとっても問題だと考えられる。JAとしては、グループでの農家訪問を農家に取り次ぐ体制をとっているので、利用されたい。農家と区民とのコミュニケーションが活溌になれば、双方に良い影響が出るはずだ。※農家を訪問する方へ・・農地を”自然”と考えるべきではない。作物を栽培・生産する現場として、農家の人が年間を通して手を入れていることを忘れないよう、理解願いたい。
Q:次代の農業を考えるなら、子どもたちに、もっと農業に触れる機会を設け、農業に関心を持たせるべきではないか。
A:中学校で体験学習で農業実習などを行っている。大人の方が農業に触れる機会が少ないのが問題かもしれない。区では農業に関心があり、かつボランティア活動に意欲を持つ方を募集し東京都が実施するボランティア養成講座の受講修了者を農業ボランティアとして認定し区内の農家で活動してもらう仕組みを作っている。現在、区には70名程度のボランティアがいるが受け入れ先が少ない(10戸程度)のが課題。杉並区の農家の場合、それほど人手を必要としていないこと、またボランティアの意欲・技量に対して農家から疑問の声が出ることもある。区のボランティア制度のあり方も、見直しを迫られている。

(すぎなみ大人塾/スローフードな地域づくり~地産地食/「杉並区における都市農業の現状
東京中央農業協同組合杉並グリーンセンター長 岡村伸一さん/
杉並区役所産業経済課都市農業課/三上和彦さん 2007年6月21日(木) PDF資料より)


都市農業について

■都市農業の定義

 昨今、都市農業について語られることが多いのですが、その語る人によって、都市農業のイメージは微妙に異なるように思われます。都市は、都市計画法上、大きく市街化区域と市街化調整区域に区分されますが、ここでは市街化区域内にある農地・農業を都市農業と呼ぶこととします。
市街化区域とは、文字どおり市街化される区域であり、その区域の中にある農地は、いずれは住宅なり、都市に必要な施設なりに転用される前提であるということを意味します。つまり都市農業とは、市街化されるまでの執行猶予期間にある農業といえます。
1991年に施行された生産緑地法によって、生産緑地の指定を受けた農地には固定資産税の減免措置があり、かつ農業後継者がいる農家に対しては相続税支払いの猶予が認められてはいるのですが、農家がクリヤーすべきハードルは高く、税制を含めた現行の法制上では、いずれは消え去る運命にある農業といわざるをえません。

■東京特別区の農業と問題点

 東京23区内はすべての地域が市街化区域です。そして23区の合計面積は約480平方キロです。
平成15年の関東農政局統計によれば、23区内にある農地面積は約800ha(ヘクタール)であり、23区全面積の約1.7%が農地ということになります。ちなみに、ほぼ10年前にはこの比率は、正確ではありませんが2.2%程度であったので、ここ10年間で23区内の農地は2割強減少したことになります。

23区内で、農業があるといえる区は7区のみであり、同関東農政局統計によれば、農業就業人口は3,700名となっています。この農業就業者を年齢別にみると、65歳以上が全体の40%強を占め、70%が50歳以上となっています。都市農業は日本の農業の縮図といっても良いのですが、ここでも農業就業者の高齢化が大きな問題となっています。そして農業就業者の高齢化ということは、言うまでもなく「後継者の不足」ということです。

■杉並区の状況について
<杉並農業の現況>
 
 2003年(平成15年)の杉並区の農地面積は61haで、農家戸数は約200戸です。農地面積は1985年には100haありましたが、ここ18年間で40%も減少しました。同様に農家戸数は、85年には430戸であったので、50%以上減っています。2002年の杉並区農業実態調査資料によって農業就業者の年齢をみると、実に全体の70%強が60歳以上であり、80歳以上も16%を占めます。杉並区においても農家の高齢化は深刻な問題であるといえましょう。

杉並区に残っている農地の65%は生産緑地であり、35%は宅地化農地です。生産緑地が
、ハードルは高いにせよ税法上の優遇措置を受けられるのに対し、宅地化農地は宅地並
みの固定資産税を払い、相続税猶予の適用も受けられない農地であり、相続が発生すれ
ば直ちに消え去ることを前提にしています。
だからと言って、生産緑地が必ず残るということではなく、農業を継承する後継者がい
なければ相続税支払いの対象となり、やはり農地は他用途に転用されていくわけです。

<がんばる杉並農業>

 杉並区には現在65カ所の農家による直売場(軒先販売)があります。ここで地域の人たちは新鮮で安価な野菜や、花卉、植木などを購入できます。
また、12カ所の区民農園があり、今年4月には、農家の指導によって本格的農業を営める体験型農場も開設されました。14戸の農家が学童の農業体験のため、その畑を提供しており、杉並にある私学を含む47校の小学校の内27校の学童が農業体験に参加しています。

また3戸の農家が、学校給食の食材として作物を供給しており、区内17校が杉並産の作物を給食に利用しています。農協が経営する区内農産物販売所の販売日には、生産した農家が売り子となって野菜や果実の販売を行ないますが、その日には区民の長い行列ができます。

 春、菜の花でいっぱいの畑を開放し、餅つきや、郷土芸能や、野点を楽しむ祭りを催す農家もあります。住宅地の真中に農地が存在するという現実を踏まえ、都市で営まれる農業は、地域住民の利便に資することを大きな目的の一つにすべきだ、と考え実践している農家が杉並にも多くあるのです。

■都市農業への期待と課題

 都市の農地は狭隘であって、その生産量は決して多くはありません。しかし、都市農業は近隣住民の目の前で行なわれる農業であり、作っている人の名前も顔もわかります。その意味で安心して食べられる、安全な食材であるといえます。今はほとんど忘れられてしまった、作物の旬を知ることもできます。今の時期は何を食べるべきなのか、何が最も美味しいのか、そういう大切なことを理解できるようになるのです。

農業体験を行なう子供たちは、種を蒔き、それが育ち収穫する喜びを経験できるでしょう。身近にある農地は、いわゆる食育の大事なフィールドでもあります。このような農業本来の役割に加え、農地には環境保全の面でも大きな意味があり、さらに震災発生の場合には、都市には少ない貴重な空間を提供してくれます。

このように都市の農地は、もちろん農家の私有財産ではありますが、地域の重要な資源であり財産でもあるわけです。農地を所有する農家も、また地域住民も、このような農地の価値を理解し共に協力し合って、農地の減少を食い止める活動を行なっていくことが重要だと考えます。

 都市の農地を減少させている最大の原因は、相続税の発生にあります。仮に後継者がいなくても、農地が農地として存続している限り、相続税の支払猶予が適用されるようにしたいところです。相続税は、農地が他用途に転用されたときに遡って徴収すればよいのです。そしてこれを可能とするためには、農家が自ら耕作することを義務付けている現在の法律を変えていくことも必要です。

 都市農業を、「まちづくり」という作業の中でとらえ直し、様々な市民や団体との協力の下に、なんとか守り育てていきたいと願ってやみません。

樋口厚


スローフードすぎなみTOKYOのミッション

● スローフードすぎなみのミッションは何か
(何のために、何を目指してスローフード運動を行っているのか)

・ スローフード協会が示す、スローフード運動の指針を大前提に、なおかつ日本、さらにはすぎなみ独自にスローフード運動の趣旨に合致した活動を行っていく

・ スローフード運動における食育→味覚教育の推進
現代の日本の生活者に目線を合わせ、現状を深く理解し、ポジティブな提案を行っていく

・ 健康、環境、教育、福祉、経済等とのつながりを常に視野に入れながら「食」を総体的に捉えていく。 ペトリーニ会長の「お皿の内側だけでなく、お皿の外側に留意していく」ということ。現代のカウンターカルチャー運動の模索

・ 日本国内のすぐれた活動をしている支部や、それ以外の人や団体との連携を深める

・ イタリア偏重ではない世界的運動であるスローフード運動の特色を最大限に活かし、独自に回路を開いていく→外に目を向けることは、内側をより深く見つめること。地域とのさらなる密着が必要(2006.7.2)


杉並区の特徴

東京都杉並区は人口約52万人。そのうち1万人が外国人登録者となります。 基本的には住宅地ですが、ここ数年、レジ袋税、住民基本台帳ネットワークへの不参加、あるいはアニメの杜構想などでマスコミにしばしば名前が取り上げられたりしています。

杉並区は数年前、いわゆる「杉並病」でやはり世間を賑わせました。そんな反省もあるといえましょうか、「環境推進都市」を目指しており、市民の地域自治に対する意識は高いと言えると思います。

また、オーガニックの野菜や食品を売る老舗店がいくつもあったり、鍼灸や整体などの東洋医学やアロマテラピー、カイロプラクティックなどのいわゆる「代替医療」を扱う医院や医師等が多いのも大きな特徴といえます。
そんななかでも注目したいのは、「中央線文化」という言葉です。

中央線は、御茶ノ水駅を起点に新宿を通り、中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺を抜け、国分寺、国立のほうへとつながっていく路線です。 このうちの高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪が杉並区にあたります。
この「中央線文化」とは何か。

作家の三善里沙子さんは、『中央線の呪い』という本を書き、「中央線沿線に住むと、そこから抜けられなくなる魔力のようなものが人々をとらえてしまう」と述べています。そんな街の魅力を「呪い」と呼んだわけですが、これは私たちに重要な視点を与えてくれています。

1960年代~70年代にかけて、世界中で「カウンター・カルチャー」(=対抗文化)が台頭しました。
これは、このまま科学が進歩を続け、世界資本主義が右肩上がりで拡大を続ければ、いずれ環境に重大な負荷をもたらすであろう、だからそうした拡大のペースをスローダウンし、もっと環境にやさしいライフスタイルを選んでいこう、ということで起こった運動だといえます。

そんななかから、有名なレイチェル・カーソンの『沈黙の春』が発表され、あるいは環境運動、あるいは食に対する意識、あるいは代替医療、あるいは教育の見直しという形で、世界へ浸透していったのです。
おそらくは、イタリアで起こった「スローフード運動」も、これらと無縁であることはないと思っております。

中央線沿線には、まさしくこの「カウンター・カルチャー」で中心を成した人々が根付いていきながら、街の空気を形づくってできた様相があります。それこそが「中央線の呪い」なのです。

実際、西荻窪の「ほびっと村」(1976年スタート)、荻窪の「グルッペ」(1977年スタート)を筆頭に、杉並区、あるいは中央線沿線には、オーガニック野菜や食品を嗜好する消費者層がしっかりと存在します。

そして、これらの先達が築き上げてきた街の空気は、環境問題や食の安全等が世間の重要関心事となりつつあるいま、ますます輝きを放っていくことと思われます。

スローフードすぎなみTOKYOコンビビウムは、まさしくこうした街の空気の中から生まれました。

これまでの先達が築き上げてきた空気に寄り添いながら、なおかつそれを先へ前進させることができれば、というのが願いです。

すぎなみTOKYOコンビビウム代表 佐々木俊弥


スローフードすぎなみTOKYOとは

スローフードすぎなみは、以下の活動を柱としています。

1.味覚教育
 スローフードにおける食育は「味覚教育」として世界中の支部で推進されています。
 学校での食育は一般的に栄養学などの学問的なことに偏りがちです。それに対して学校におけるスローフードの味覚教育は、感覚を中心にして新しいコミュニケーションの方法を作り、楽しさ(食卓での発見、和やかさや陽気さ)の新原則を引き入れます。
 スローフードすぎなみは、地元杉並区の公立小学校での「親子で見つけよう! ほんとうの味」と題したイベントを4年にわたって行ってきました。PTAの親御さんや子供たちと学校との共同作業で培ってきた成果を、これからさらに広い範囲で応用できれば、と考えています。

2.杉並区と中央線文化
 スローフード協会の創始者でもあるカルロ・ペトリーニ会長は、「すべてのコンヴィ ヴィウムは自分の地方コミュニティを構築し、強固なものにするよう心がけていただき たい」と最近の文章で述べています。
 スローフード運動はいまや、食を通じて地域コミュニティづくりに関わり、グローバ ル経済下で進行しつつある文化と社会の均一化、ファースト化に対抗しようという運動 としての姿勢を明確に打ち出そうとしています。
 スローフードすぎなみは、60年代から勃興した「カウンター・カルチャー」によって 形成された地域と人のつながりに拠りつつ、現代に可能なオルタナティブ・カルチャー の可能性を探っていきたいと思っています。

3.都市農業について
 杉並区は東京都23区のなかでも第四位の農地面積と、約150の農家がいまだ健在の都市農業地域でもあります。
 都市農業は、地方農業と違う税制面での扱いもあり、思いのほか健闘しています。また、住宅地に密接していることから、農薬散布等にも気を遣う結果、地方農家が栽培する作物より安全であるとも言える一面を持っています。
 スローフードすぎなみは、都市農業の現状と可能性について、いろいろな形での情報を集め、発信していきたいと考えています。

4.国内支部との交流
 国内に44ある支部のいくつかと、スローフードすぎなみは活発な交流を行いながら、 人とモノと情報の交換を行っています。
 北海道から沖縄まである支部の仲間たちと知り合い、交流ができることは、スローフ ード運動の最も刺激的かつ面白い部分であると言えます。
 人的な交流から新しいコラボレーションが生まれていくことをワクワクしながら考えています。

5.海外支部との交流
 スローフードは世界に800、83,000人の会員が活動している世界的な市民運動です。
この世界的なネットワークこそが、スローフードの最大の力であり、財産です。  イタリア、アメリカ、ハワイ、香港、シンガポール、ネパール、ニュージーランド、 メキシコ等々海外の支部の人たちとの交流をすでにスローフードすぎなみは行い、つな がりを培ってきました。
 今後もさらにつながりの輪を広げながら、世界の中の日本であることを確認し、日本 発の食の情報を世界に向けてダイナミックに行っていきたいと思います。